咬合育成

お子さんの将来の歯ならびが気になっている方は多いのではないでしょうか。
むし歯予防なら、定期的にフツ素塗布を受けたり、砂糖の多い飲食物を控えたり、毎日フッ素を使って歯みがきをきちんとするなど、さまざまな方法が一般的に知られています。
しかし、どうしたら良い歯ならびになるかはあまり知られていません。

「咬合育成」をご存じですか?

「咬合育成」とは、お子さんのお口を、将来歯ならびが悪くなる兆候がある場合に早期に発見し、問題が固定される前に改善するという、お口の正しい育ちを促します。

いわば「歯ならびの予防」のことを言います。

あごと歯の大きさの両方を診ることが大切です

たとえば、歯が大きいわりにあごが小さく、歯が生えるスペースが足りないと、歯は混み合ってガタガタになってしまいます。
そこで、小さな装置をお口のなかに入れて過ごしていただき、あごの成長を促しスペースを広げます。 すると歯は自然にきれいに並んでいきます。
また将来、受け口になる兆候のあるお子さんなら、上下の歯の噛み合わせを調整し、あごの成長を適切に誘導することで、改善させることができます。

咬合育成が出来るのは、子供の時だけです!

ただしこうした「歯ならびの予防」は専門的な矯正治療とは違い、いつでもできるものではありません

混合歯列期の初期、つまり前歯が生え替わった7歳ごろに開始し、永久歯列の側方の歯が生え替わる前、だいたい小学校の高学年までに終了するという、一生に一度だけ可能な、期間限定の予防措置です。

個人差がありますが、5歳〜12歳頃とお考え下さい

健康保険適応外(自費治療)ですが、 あごの成長を促し誘導して骨格的な間題を根本的に解決できるため、 多くの場合、抜歯が必要なく、小さな処置で大きな効果が得られます。

具体的に下の写真の例で見てみましょう。

咬合育成をしなかった場合

治療前

咬合育成をしなかった場合BEFORE

7歳半の患者さまです。

右上の前歯の生えるスペースが足りなくなり、前歯の1本がうしろに生えてしまいました。

咬合育成についてご提案しましたが、このままにしておくことになりました。

治療後

咬合育成をしなかった場合AFTER

18歳になった時の状態です。

うしろの歯は、噛むごとに下の歯に押され、さらに後退しました。

現在は矯正治療をご希望ですが永久歯列が完成しておりますので、もう咬合育成はできません。

歯を削ったり、歯を抜く必要がある矯正治療を行わないといけません。

咬合育成をおこなった場合

治療前

咬合育成をおこなった場合BEFORE

8歳の患者さまです。

右上の前歯の生えるスペースが足りなくて、永久歯の前歯が1本うしろに生えてきました。

この歯は噛むごとに下の歯に押されうしろへ動き、自然に治ることはありません。

ご両親と相談し、さっそく咬合育成をはじめることになりました。

治療後

咬合育成をおこなった場合AFTER

17歳になりました。

小学校低学年の頃にあごの成長を促して広げ、歯ならびの悪化を予防したおかげで、歯を抜かずにきれいな歯ならびの高校生へと成長しました。

咬合育成を行うことで、永久歯を抜かずに済む可能性が高くなります。

いかがでしょうか?
咬合育成をおこなった場合とおこなわなかった場合の大きな違いにお気づきですね。
咬合育成をおこなった方がより良い結果となることが一目瞭然です。

咬合育成をおこなうにあたり重要なことは、小さな頃からお口の成長の経過を歯医者さんに診せていただくこと。
日ごろからお口の成長を確認できれば、問題の兆候があらわれてきたときに、タイミングを逃さず「歯ならびの予防」をおすすめし、開始することができます。

お子さんの歯の生え替わりは、あっという間に進んでいきます。
貴重な機会を逃さないよう、幼児のころから定期的にメインテナンスに通い、お口の育ちについて日ごろから相談しておくと安心ですね。

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